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分光器

 

概要
 
分光器(モノクロメータ)とは、光を波長毎に分散させる装置である。種類としては、以下のものがある。
 
シングルモノクロメータ:分散素子が1つの分光器
 
ダブルモノクロメータ:分散素子が2つの分光器( シングルモノクロメータに比べて低迷光、高分解能である)
 
トリプルモノクロメータ:分散素子が3つの分光器(ダブルモノクロメータに比べてさらに低迷光、高分解能である)
 
構成
 
入射スリット: 光の一部を入れるための”隙間”
コリメータ鏡: 鏡を用いて入射スリットからの光を平行光に変える光学系   
分散素子(回折格子、プリズムなど): 光を波長毎に分散させる
カメラ鏡: 鏡を用いて分散素子からの分散された光を出射スリットに集光させる光学系
出射スリット: 分散された光(モノクロ光/単色光)を選択して取り出すための”隙間”
 
分光器概要(変形ツェルニ・ターナマウント、焦点距離250mm)
 
 
性能
 
口径比(明るさ):F
 
F=f/D 焦点距離(f)を回折格子の有効径(D)で割ったもの
数値が小さいほど入射可能な光量は多い(明るい分光器)
 
波長分散(逆線分散):△λ/△1=dcos θ /mf
 
θ:回折角  m:次数 d:回折格子溝間隔
出射スリット上で1mm離れた波長差Δλ/Δl(nm/mm)を表す
数値が小さいほど高分解能
 
迷光:設定波長以外の波長の光の総量
数値が小さいほど迷光が少ない
 
 
選定
 
分光器は、明るさと波長分解と使用波長領域によって選択するのが一般的である。
 
波長領域の選定 : 回折格子ブレーズ波長、回折格子効率表より選択
 
波長分散と焦点距離と回折格子の本数との関係
回折格子の本数が2倍になると波長分散は1/2となる(反比例)
焦点距離が2倍になると波長分散は1/2となる(反比例)
 
一般に焦点距離が短い分光器は明るく、焦点距離が長い分光器は暗い
 
一般に焦点距離の長い分光器は高性能である
 
Q : 分光器とは何ですか、また何のために使うのですか?
 
A : 光を波長ごとに分ける装置です
特定の波長の光だけを取り出したり、検出器に当ててその光の強度を調べたりします。
最近では、検出器内蔵の小型の分光器が人気です。分光器は、放射光、反射光、透過光など光の特性を調べるために使用します。
例えば、太陽光、ランプ、LED、プラズマなどの波長・強度のスペクトルを見たり、
薄膜、ガラス、プラスチック、植物の反射率や透過率、溶液の吸光度(吸収)を測定して、光学的な特性を調べたりします。
企業の研究開発や生産ライン(品質管理)、大学や国立機関の研究に幅広い用途で使われています。
 
Q : どうやって光を分けるのですか?
 
A : 回折格子やミラーを使います
 
分光器の仕組みを説明します。右図をご覧ください。
入射口に光を挿入   直接またはファイバを通して光を挿入
平行ミラーに反射
回折格子にて分光
集光ミラーに反射
2次光防止フィルターにて、1次光のみ透過   オプションの 円筒レンズ で受光量UP
CCD、InGaAsなどの検出器で受光
波長・強度のデータはUSBでパソコン(付属ソフト)に スペクトル表示