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Sony レーザ

 

 レーザとは
 
レーザ(LASER)は、発明者によって作られた「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」のイニシャルからの造語です。日本語訳では「誘導放出による光の増幅」といった意味になります。 一般的には、レーザ光を放出するためのレーザ発振器・増幅器の総称として使われます。
レーザ光は、誘導放出により放出される自然の中には存在しない人工的に作られた光であり、色純度が高い(単一の波長)、位相が揃っているなどの特長があります。
●レーザ光には次のような特長があります。
単一波長である(単色光、鮮やかである)
位相が揃っている(干渉性がある)
指向性が良い(集光性が良く、広がらない)
エネルギー密度が高い(高輝度性をもつ)
世界で初めて半導体レーザが発振したのは今から40年以上も前のこと、当時の発振波長は840ナノメートルの赤外線でした。 また、ソニーでは1984年に”MOCVD“結晶成長法による半導体レーザを世界で初めて商品化し、開発量産化の成果により大河内記念生産賞(1987年)を受賞しています。
 
 レーザの種類
 
レーザには、レーザ光を放出する媒体によっていろいろな種類があります。大きくは気体レーザ、固体レーザ、半導体レーザ、液体レーザに分けることができます。それぞれのレーザは、波長、出力や大きさなどに特長があり、医療、工業や民生の各分野で活躍しています。中でも半導体レーザは、小型で消費電力も少ないため、私たちの身近でもCDやDVDに代表される光ディスクへの信号書き込みや読み出しに応用されています。
■半導体レーザ ・アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)
・インジウムガリウム砒素リン(InGaAsP)
・アルミニウムガリウムインジウムリン(AlGaInP)
・ガリウムナイトライド(GaN)
■固体レーザ ・ルビー
・ガラス
・YAG
■気体レーザ ・ヘリウムネオン(He-Ne)
・アルゴン(Ar)
・二酸化炭素(CO2)
・エキシマ
■液体レーザ ・色素
 
半導体レーザのできるまで
 
 
半導体(化合物半導体)
 
半導体は、電気をよく通す良導体と電気を通さない不導体(絶縁物)の中間に位置し、いろいろな条件により電気伝導度をコントロールできる性質を持つ物質です。
一般的には、トランジスタ、ダイオードやLSIなど、半導体の性質を利用した電子部品を総称して使われています。
 
トランジスタやLSIなど、今日の半導体のほとんどにはシリコン(Si)結晶が使われています。半導体レーザなどに使用されるガリウム(Ga)と砒素(As)からなるガリウム砒素結晶のように、2元素以上から構成される半導体を、シリコンなどの単元素半導体と区別して化合物半導体と呼んでいます。
 
ガリウム砒素 (GaAs)結晶は、III-V族化合物半導体の代表的な材料で、結晶内の電子の動き(移動度)がシリコンに比べて速いため、半導体レーザの他に超高周波デバイスなどにも使用されています。
 
 
光学ピックアップは、CDやMD、DVDなどの光ディスクシステムにおいて、ディスク上のピット(ミゾ)から信号の読み出しや、ディスク上への信号の書き込みを行う光学系+半導体レーザからなる光学ヘッドのことです。  
光学ピックアップの役割は
レーザ光をディスク上のピットに集光させる
集光したレーザ光をトレースさせる
ディスク上のピットからの反射光を検出する
であり、光学ピックアップは半導体レーザ、レーザ光検出IC、ビームスプリッタ、集束レンズなどの部品で構成されています。
 
 
可視光レーザ
 
赤外レーザや通信用の長波長レーザに対して、レーザ光の波長で約400nm-約700nmの波長帯を持つ赤色レーザや青色レーザのような、目に見える光を発光するレーザを可視光レーザといいます。
 
 
赤色レーザ
 
赤色レーザはAlGaInP系の材料を使用し、波長630nm-680nm帯の赤色を発光します。赤色レーザは、DVD用光学ピックアップに用いられている他、スーパーマーケット/コンビニエンスストアのバーコードリーダ、レーザプリンタ、ポインタなどにも応用されています。
 
青色(青紫色)レーザ
 
青色レーザはGaN系の材料を使用し、波長400nm-500nm帯の青色(青紫色)を発光します。波長405nmの青紫色レーザは、Blu-ray Disc用レーザとして用いられています。
Blu-ray Discの原理は、CDやDVDと大きくは変わりませんが、大容量化を実現するため、ディスク上のより小さなピット(ミゾ)を記録・再生するのに、DVDより短波長の405nm青紫色レーザが必要となっています。
 
2波長レーザ
 
CD/DVDドライブの光学ピックアップには、CDとDVDを記録・再生するためのそれぞれの波長のレーザが必要ですが、1パッケージで2波長のレーザ光を発光できるレーザを2波長レーザと呼びます。
2波長レーザにより、2波長の光学ピックアップの部品点数の削減が可能となり、また信頼性向上にも大きく貢献し、シンプルで量産性に優れた2波長光学ピックアップを実現することが可能となりました。 
2波長レーザにはモノリシック型とハイブリッド型がありますが、モノリシック型2波長レーザダイオードの開発・量産化は、ソニーが世界で初めて実現したもので、プレイステーション2やDVDプレーヤ に採用されています。2つのLDチップを1パッケージに納めたハイブリッド型に比べ、部品点数の削減や組み立てのしやすさに加え、発光点間隔の精度を±1μm以内に抑えることが可能となり、光学性能の向上も図れるなど、“モノリシック型”ならではの特長を持っています。